タンポポ
こきうすき 山の緑の さまざまに
まじりてみゆる 花のいろいろ
桜の散るのが合図のように、木々がいっせいに芽をふきはじめます。
ちかくの山々も個性にみちた緑にいろどられてゆきます。 印象派の点描画のような、たっぷりきなこをまぶした、うぐいす餅のような、やわらかそうな山々です。
このまえ、通ったときは、水田だった筈のところに、タンポポがたくさん咲いていました。 このあたりでも、一面のタンポポというのは、めったに見られなくなっていたので、よろこんで摘みにいきました。
花は花だけを摘み、葉は、泥をなるべくつけないようにして、別々にとります。 染めるときも、花と葉は、別に染めるからです。 それに、タンポポの葉は、天ぷらにすると、ほろにがく、シャリシャリとして、とてもおいしいのです。 まさに、春の味覚です。 早速、夕飯にいただきます。
なんと沢山、花だけで、2kgもとれました。
でも、どこの花をとったのか、全然わからないくらい、一面のタンポポ野原です。 いっしょに生えていたヒメジオンも採ります.これも、そめます。 ピンクいろの濃い花がさいていたので、この,
もと田圃は、よほど土が肥えているのでしょう。
<染め方>
1. たっぷりの水で煮だし、ザルでこして染液をつくります。
2.毛糸をゆっくりとしずめて、だんだんに、温度をあげます。 むらにならないように気をつけながら40分。
3.その次に、そのままさまします。
※ ウールをいじるときは、低い温度で作業するようにしましょう(30℃くらい)
熱いうちに扱うと、ウールはフェルト化してかたまってしまいます。
※ 色をだし、定着させるための、媒染剤は、何種類かありますが、ミョウバン、鉄、などが、自然にやさしいとされています。その他、銅や、錫などは、液を捨てる時に、害のないように処理することがたいせつです。
タンポポの花だけむしって染めるとあざやかな黄色になりますが、がくも一緒に染めたほうが、色は、くすんでも野原の感じがでます。 葉も同様に染めて、さあ、タンポポ野原のセーターでも編みましょうか。 寒い冬の間、きっと春のような暖かさであなたをつつんでくれますよ。
(1999年4月20日)