|
|
|
|
朝倉通信 16
富士山
窓の前には 庭がある
椿の咲いてる 庭がある
塀のむこうに 屋根がある
ときどき 尾長が来てとまる
屋根のむこうに 山がある
数えきれない つながりだ
秩父の山だ と父が言う
ときどき うすく けむってる
そのまたむこうに 富士がある
あたまのぶんだけ つきでてる
とくべつ寒い 冬の朝
空気が カチンと音たてて
ひびいりそうに 澄んだ朝
小川の水が もうもうと
ゆげをたててる 冬の朝
ぼくの道から よく見える
雪をかぶった 富士の山
朝日にそまって ピンクいろ
そこだけ なんだかほかほかと
あたたかそうな 富士の山
昭和46年頃の冬
|
|
|
|
|