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16.富士山
昭和46年頃の冬

17.山辺三山
最終回

 

 

   

朝倉通信 7 早川農園                                                              
 今、Dマートのある場所には、一昨年までは、早川農園がありました。40年ほど前までは、早川農園から南は、一面の田圃で、あぜ道はあっても、車が通るような広い道はなかったのです。その頃から農園は藤やつつじなど、花の名所で、花のころには子供達をつれて、あそびにいきました。入園料は必要なかったので、毎年、うす紫のみごとな藤の花房をたのしんで、帰りに裏の鶏舎でうみたて卵をかってかえりました。
滝の宮団地ができたのも、このころです。 しばらくして、園内は整備され、広い池でボートあそびなどできるようになり、入園料もはらうようになり、団体バスでお客さんも来るようになりました。 そうなってからは、行ったことがありません。 子供たちも大きくなってしまったし、れんぎょうの生垣の破れ目からのぞくと、中が一目で見わたせるし、どこに、何の花があるか、よくわかってますものね。 れんぎょうの花がさいて、垣根がまっきいろになると、園内の花も咲きはじめます。 この、早川農園も、交通事情や駐車場の問題などで、足利のずっと東のほうへ移ってしまいました。
 南に、R50ができ、そこに通じる道を新しくつくり、田中橋ができて疎開道路〔足利学校や、市民会館のところの〕とつながるようになって、R293になりました。
田中橋ができて、しばらくのあいだは、通行料をとっていました。 このみちは、もう、思い出せないくらいの変わりようです。
 市民プラザのあるあたりは、全部、水田で、西のほうに浅間山がよくみえて、家などなかったような気がします。
 「こんど、朝倉にひっこすよ。」と伯父にいいましたら、「あんなところに住めるのか、蛙とカブトムシしか、いないところだぞ。」といわれました。 田圃のほかは、桃畑が多くあったとかで、伯父は、がき大将だった子供のころ、みんなで桃盗みにいったそうです。

 そういえば、となりの家のことを、"ももや"という屋号でよぶ人もありました。
いまは、カブトムシどころか、蛙さえも見ることができません。
足利郡・山辺町・大字朝倉 が、足利市・朝倉町 になってから、何年たったでしょう。
                      

1999・4・10

     
   
 
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