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16.富士山
昭和46年頃の冬

17.山辺三山
最終回

 

 

   

朝倉通信 3   明神山

 裏の明神山は、古墳の山です。一人の人のための墳墓ではなく、沢山の古墳がこの山に集まっています。昔は、60基ほどあったそうですが、長い間に、 麓に近いほうは、畑をたがやす度にけずり取られたりして、今では、25基くらいが残っているそうです。山にのぼって足踏みをすると、ドン、ドン、と響くので、ドンドン山と呼んでいたと岡村さんのおばあさんが言っていました。

うちが建っている場所は、もと、岡村さんの畑があったところです。畑をたがやしていたときに出て来たものだと、綺麗な薄緑色の、小さい鏃のようなものをたくさんみせてもらったことがあります。

 海抜62メートル、比高差25メートルの小さい山ですが、山は山で、雨上がりにはうっすらと霧がかかり、春には、松の木に紫の藤の花房がさがり、冬、雪のあしたなどは、それは美しい眺めとなります。
 山の南側で小雨が降っていても、北側にまわると、ぬれたあともない、などということもよくあります。
 山の南斜面は日あたりもよく、木も草もよく育って、うちの染材料の宝庫です。まだ、寒いうちに梅の花がひらき、水仙、花だいこんが咲き群れて、かたくりの花も毎年みられます。ひめおどりこ草も、ずいぶんふえました。
 東には、お宮のわきに古い社務所がありました。裏に大きな枇杷の木がありましたが、社務所をたてかえた時、伐りはらわれてしまいました。葉で、とてもいい色が出たのに、残念でした。昭和36年頃までは、四所神社のお祭りの時には、夜通し、太鼓をたたいていたものでした。
 山の北側は、うす暗くて、めったにいきませんでしたが、春さきには、けっこう沢山、わらびなど採れたということです。

 さて、この山で、どうやって遊んだかは、亘や、大のほうがよく知っていますよね。 、
                       

1999・2・9

     
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